Hello!ゆきナスです!
今回は一番話しておかなければならない嚥下についてお伝えしたいと思います٩( ᐛ )و
みなさんは食事をする時に何を考えて食べていますか?
食事を口に入れ、ゴックンと飲み込む時に舌やノドがどういう動きをしていて、飲み込む瞬間はこうなっているなど考えながら食べている人はいないと思います。
「これ美味しい」「また食べたいな」とか、「ちょっと味が物足りない」とか、「食事の後はコーヒー飲もう」とか、そんなことは頭の中に浮かんでいるかもしれませんね。
空腹感を感じ、食事が食べたいと思うスイッチが入れば、何かしら食べ物を口に入れ、お腹を満たそうとする。そのような食行動は人間にとって、動物にとって当たり前のことであり、生命維持のためにも必要不可欠なことです。『食べることは生きること』とはそういうことですね!
しかしながら、その当たり前のことができずに苦しんでいる人たちもいます。
口から食べられなくなる要因としては加齢、脳卒中やがん等の病気です。そのほか、若年の方や子どもであっても、交通外傷や先天性疾患、難病などで嚥下障害を患っていまします。
かく言う私も先天性の疾患があり、生まれた時は経鼻経管栄養(※1)でした。
口唇口蓋裂という病気で口から食事を摂ることが困難な状態でした。生まれた時から入退院を繰り返し、数回にわたって手術を受けました。
2〜3歳の時かなぁ、、、当時の私はミキサー食を食べていました。
ある日、おやつにオレンジゼリーが出たんです。私はゼリーを食べていいんだと思い、とーーっても喜びました。でも、病棟の手違いだったんです。
食べられないと知った私は大泣きです。。。母に抱っこされ、なだめられたことをとてもよく覚えています。そんな経験をしているので食べたいもの、好きなものを食べられない辛さは分かります。
あ!今は手術のおかげでなんでもモリモリ食べられますよ(*´꒳`*)
さてさて、、、
次は実際に嚥下のメカニズムと嚥下障害ではどんな症状が出現するかお話していきましょう!
※1 経口摂取が困難な場合に鼻から胃まで挿入されたチューブから栄養補給を行うこと
嚥下のメカニズムと嚥下障害
嚥下のメカニズム
嚥下とは、、、
食物をゴックンと飲み込み、蠕動運動によって、胃の中に送り込むことです!
食べる過程の全般は、摂食嚥下と言います!
摂食とは、口の中に食物を取り込んで(捕食)、噛み砕いて(咀嚼)、飲み込んで胃の中へ送り込む(嚥下)までの食べる過程のすべてのことです。
「口から食べる」という行為は、、、
①食物の認知(先行期)
②食物の取り込み・咀嚼・食塊形成(準備期)
③咽頭への送り込み(口腔期)
④嚥下反射(咽頭期)
⑤食道から胃への移送(食道期)
以上の5期に分けることができます。
では、この①〜⑤までの段階を一つずつ詳しく見ていきましょう!
①先行期
食物を認知し、何をどのように食べるかを決定する時期
脳内では視覚的に食物を認知した後に、前頭葉で食べる順番や何を使って食べるか、一口量はどの位かなどをプログラミングします。
プログラミング後は食べる動作として実行されます。
脳内での認知やプログラミング、そして実行するためには大前提として、しっかり覚醒していることが必要です
②準備期
食物を口に取り込み、咀嚼して、食塊(飲み込みやすい食物状態)を形成する時期
・口を開け、食物を取り込む
・唇を閉じ、食物が口から出ないように保持する
・食物の物性(硬さ、ベタつき、パサつき等)を判断する
・咀嚼と同時に食物を唾液と混ぜ合わせ、食塊形成を行う
・味や食感を楽しむ
③口腔期
舌で食塊を咽頭(ノドの奥)に送り込む時期
食塊や水分をそれぞれ適したタイミングで咽頭に送り込む
④咽頭期
嚥下反射により食塊を咽頭から食道に送り込む時期
ちなみに私達は1日にゴックンを平均585回行ってます!
⑤食道期
食道に入ってきた食塊を蠕動運動により胃まで運ぶ時期
嚥下障害とその症状
嚥下の5つの時期、これらのどこかに問題が生じた時に起こるのが、嚥下障害です!
障害が起こった場合にどのような状態になるのか見ていきましょう。。。
①先行期の障害
- 認知症・高次脳機能障害
注意障害で食事に集中できない、周囲に気を取られる
ペース配分が困難となりガツガツ食べてしまう
失行の影響で箸やスプーンの使い方が分からない等 - 情動障害
食欲低下、食思の異常(拒食、過食) - 不随意運動・姿勢障害
食物を掴めない、口に持っていけない
②準備期の障害
- 開口・閉口障害
扁桃炎・顎関節症・腫瘍▶︎口の中に食物が取り込めない、口からこぼれる - 口唇閉鎖障害
顔面神経麻痺・中枢性麻痺▶︎食物が口から出る、唾液が流れ出る - 感覚障害
食物の特性を判断できず、食塊形成にも影響を及ぼす。食物の味や食感を楽しめない - 咀嚼障害
仮性球麻痺・舌腫瘍▶︎食塊形成が行えない
③口腔期の障害
- 舌運動の機能低下
食塊を奥舌や咽頭に送り込めない。嚥下後に口の中に食物が残る - 口腔-咽頭腔の閉鎖不全
嚥下反射が起こる前にダラダラと食塊が喉頭に流れ込む(嚥下前誤嚥)
④咽頭期の障害
- 鼻咽腔閉鎖不全
軟口蓋と上咽頭収縮筋の器質的・機能的障害▶︎鼻腔へ食塊が逆流する - 口腔と咽頭腔の閉鎖障害
舌や口蓋の器質的・機能的障害▶︎口の中へ食塊が逆流する - 嚥下反射惹起困難
嚥下反射が起こらない - 食道入口部の開大不全
食道入口部の通過障害▶︎延髄障害(球麻痺)・筋疾患が原因 - 喉頭挙上不全及び咽頭収縮力の低下
喉頭蓋の反転不全(声門閉鎖不全)
⑤食道期の障害
- 上食道括約筋の閉鎖不全
胃液、消化液、細菌を含んだ食物が咽頭に逆流する▶︎嘔吐 - 下食道括約筋の閉鎖不全
胃食道逆流が起こる▶︎逆流性食道炎・食道裂孔ヘルニア - 下食道括約筋の弛緩不全
食道の入口部が弛緩できず通過障害が起こる▶︎アカラジア - 食道の蠕動障害
胃食道逆流、食道内逆流、食道残留、薬剤の影響▶︎脳血管障害・神経疾患・食道疾患・加齢 - 食道の器質的狭窄
腫瘍・食道の蛇行
今回は嚥下のメカニズムの説明と嚥下障害の症状についてお話をしました。
今後の投稿で嚥下障害や症状に対するケアや食事の工夫、リハビリなどを事例も取り入れながら、紹介できればと思います(°▽°)お楽しみに〜
では次の投稿でお会いしましょう!
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