Hello!ゆきナスです!
今回は咀嚼(そしゃく)について、お話をしたいと思います。
咀嚼とは、、、口の中で食べ物をよく噛み砕き、味わうことです。
さらに詳しく説明をすると、咀嚼は咬断、粉砕、臼磨し、食べ物を唾液と混ぜ合わせ、食塊形成を行うことです。
咬断:前歯で噛み切ること
粉砕:奥歯にのせ、細かく噛み砕くこと
臼磨:上下の奥歯同士ですり潰すこと
食塊形成:食べ物を飲み込みやすい状態にすること
さて、、、みなさんは1回の食事で何回咀嚼しているでしょう?
研究報告によると、現代人の咀嚼回数は1食で600回だそうです。これが多いのか、少ないのか?
時代を遡ってみると、昭和初期は1400回、鎌倉時代は2500回。そして、弥生時代はなんと4000回も咀嚼していたと言われています。現代人の咀嚼回数は弥生時代の6分の1ということですね。
咀嚼回数もですが、食事にかけていた時間も時代によって差があります。
弥生時代は50分、鎌倉時代は30分、昭和初期は20分。そして現代はたったの10分です。現代の食事がいかに食べやすく調理されているかが分かりますね。
噛まないことによって引き起こされる健康問題が懸念されるところです!
サブタイトルにある30回噛む説?ですが、、、
ある研究データによると食物の種類に応じた最適な咀嚼回数がある!ということが検証されています。食品によっても、健康状態によっても噛む回数は違うよね〜ということです。
嚥下障害のある方に対しては誤嚥リスクを回避するために、食べやすく飲み込みやすい食事を提供することになります。しかし、咀嚼の必要がない食事を食べ続けるということは、咀嚼の力が減弱することに繋がっていきます。
安全だからと、ペーストやムース食を継続するのではなく、きちんとした評価をもとに適切な食事形態を提供し、嚥下訓練・機能的口腔ケア・歯のメンテナンスなどを行いながら、食事形態をアップしていくことをオススメします!
咀嚼の効果
- 肥満防止 満腹中枢刺激
- 味覚の発達 味覚情報をキャッチ
- 言葉の発達 口腔周囲筋群の発達
- 脳の働きを活発化 脳血流量促進
- 歯の病気予防 唾液分泌促進
- がん予防 発がん性抑制
- 胃腸の働きを促進 消化酵素分泌促進
- 全身の体力向上 筋力アップ
咀嚼力チェック
歯科領域では咀嚼能力検査として、株式会社GCのグルコセンサーを用いて検査することが多いようです。私達、訪問看護師や言語聴覚士が咀嚼機能をアセスメントする時はスナック菓子やせんべいを用います。摂取途中で口の中を観察し、咀嚼できているか、食塊形成ができているかを評価します。
また、LOTTEのキシリトール咀嚼チェックガムを用いることもあります。
つい先日、公民館の講座をさせてもらった時にも使いました!
参加された方は70〜90歳代で15名。
「入れ歯が外れんかね〜」と心配されていた参加者さんもいましたが、、、(笑)
メトロノームアプリを使用し、みんなで60回咀嚼!咀嚼後はティッシュに出してもらい、ガムの色をチェック!
結果は、、、みなさん、9〜10の色で噛む力はバッチリでした(°▽°)
やはり、公民館のイベントに参加されるほどの社会活動度の高い方たちは違うなと感じました。
公民館の講座の話の中に入れ歯(義歯)というキーワードが出ましたが、入れ歯(義歯)を使用している方は健常者に比べると、咀嚼力が1/3に低下します。
咀嚼力を維持するためには自分の歯を大事にするということも重要です。定期的に歯科受診し、メンテナンスをしましょう!
グルコセンサーを用いた検査方法の詳細については下記のファイルをご覧ください!
噛む筋トレ
咀嚼に関わる主な筋肉は4つです。
①側頭筋、②咬筋、③外側翼突筋、④内側翼突筋
①側頭筋
上下の歯を噛み合わせる・下顎を上方に挙上する・下顎を後上方に挙上する
▶︎最も筋力が最強!咬合力が必要な肉食動物は側頭筋が発達している
②咬筋
咀嚼時の咬合力を生み出す
上下の歯を噛み合わせる・下顎を側方に動かし、臼歯上で食べ物をすり潰す
③外側翼突筋
唯一の開口筋。下顎を前に出す・下顎の側方運動
④内側翼突筋
咬筋と協調して働く
上下の歯を噛み合わせる・下顎を側方に動かし、臼歯上で食べ物をすり潰す
この4つの筋肉を使って、咀嚼運動を行っています!
筋肉量や筋力を維持するためには、やはり筋トレが必要です。
実際に私たちが取り組んでいることはガムやスルメ、グミを噛むことです。誤嚥や窒息のリスクがある方はガーゼに包んで練習をします。
筋肉を使った後はリラクゼーションも忘れずに。。。筋肉部位を掌でマッサージするとよいですよ。
咀嚼筋を鍛えることは、顔のたるみ予防になるので若い方もぜひ実践してください!
では、また次の投稿で会いましょう(・◇・)/~~~